熊本地震の被災者の声から考える女性と子どもに必要な「災害時フェムケア」
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― 『命』を守ったその後のこと ―
一般社団法人全国産前産後バースケアラー協会 助産師瀧口です。
熊本地震により被災された皆さま、そして今もなお震災の影響を受けている皆さまに、心よりお見舞い申し上げます。
あの日から時間が経った今も、あの時の経験や思いを抱えながら過ごされている方がいらっしゃることと思います。
実際私の友人達も普段の生活に戻ってきているが、余震もあり子どもたちがまた地震起こる?と怖がっていたり、後片付けにおわれ、崩れた建物道路を目にするたび心が締め付けられると話していました。
私たちは今回、熊本地震で被災されたお子さんを持つ30代~50代の女性の方にもお話を伺う機会がありました。
改めて、自分のことは後回しになるんだと気づいた
子どもや祖父母のケア気づいたらご飯も食べていない、風呂も入っていないが当たり前になっていた。女性は我慢強いというが、我慢しているという感覚もないまま今回の震災で改めてそう感じた。

揺れや物がない怖さ、『ヒト』の怖さもあった
もちろんヒトの優しさもたくさん受け取ったが、自分勝手に備蓄品をもらおうとしたり、助け合いの心がなかったり、普段とは違った態度であったりとその人間関係や対応にも疲労感が強かった。

大変さの比較をして、言えないことがつらかった
被害の大きさを比較して、自分はましな方と言い聞かせて言えないことが辛かった。専門家にきいてもらい『辛さはそれぞれ。辛いと素直に思っていい。ママだからといって頑張りすぎなくていい』と言ってもらえて救われた。母親である自分が強くいなければ子どもを不安にさせると思ったのでいつも気が張っていた。

子どもたちにも親が伝えにくいことを伝えてくれる
思春期の娘に、親だと聞いてもらえなかったり伝えにくいフェムケアゾーンのことや性被害のことも専門家としての立場で科学的に伝えてもらえるのがありがたかった。普段から伝える環境を整える大切さがわかった。産前産後生理中だったらさらにトラブルもあったと思う。

女性特有の健康課題を解決してくれる備蓄の大切さ、そして相談できる場所の大切さを実感されていました。
災害時、私たちはまず「命を守ること」を考えます。
食料や水、避難場所、トイレなど、生きるために必要な備えはもちろん大切です。
しかし、熊本地震を経験した女性たちの声から見えてきたのは、女性や子ども特有の困りごとも、災害時には大きな問題になるということでした。
「自分のことは後回しになる」
子どもや家族の世話をしていると、自分の食事や入浴さえ後回しになる。
女性たちは「自分より大変な人がいる」と考え、自分の困りごとを口にできないこともあります。
生理やデリケートゾーンのこと、下着や清潔のこと。
「こんなことを言っていいのかな」と、我慢してしまうのです。
でも、困りごとを比較する必要はありません。
女性自身の身体と心を守ることも、災害時に必要な支援です。
子どもたちにも「相談できる大人」が必要
子どもたちも、災害時にはさまざまな不安を抱えます。
身体のことや生理のこと、清潔に関することなど、親には聞きにくいこともあります。
だからこそ、親だけではなく、安心して話せる信頼できる大人や専門職の存在が大切です。
「物」と一緒に「相談できる場所」も備える
災害時フェムケアには、生理用品などを備蓄することも必要です。
でも、それだけではありません。
困ったときに誰に相談できるのか。
安心して話せる場所があるのか。
そんな「人」と「つながり」も大切な防災の備えです。
命を守る備えに、尊厳を守る備えを
災害時フェムケアは、特別なことではありません。
女性が自分の身体を大切にできること。
子どもが安心して相談できること。
誰にも言えない困りごとを、一人で抱え込まなくていいこと。
命を守るための防災に、女性と子どもの尊厳を守る視点を。
熊本地震の被災者の声を、これからの備えにつなげていきたいと思います。
これまで私たちは、産前産後のパパ・ママへの支援をはじめ、女性や子どもたちを守るための防災啓発や「災害時フェムケア」などに取り組んできました。
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