産前産後の女性が「孤独」を感じやすい理由
産後うつ予防のために産前からの産前産後ケアを大切にしている
一般社団法人全国産前産後バースケアラー協会の助産師瀧口です。
市の両親学級、マタニティ講座、産後子育て座談会相談を担当させていただいている中でママ達から
「産休に入って会社に行かないことが急にさみしく感じる。」
「里帰りや転勤で知り合いがいない心細さを感じる。」
「家族がいるのに、なぜか孤独を感じる」
「誰にも頼れない気がする」
こうした声を何度も聞いてきました。

私自身、転勤族で産後1ヶ月で里帰り中に夫が引っ越した土地に帰り、知り合いのいない土地勘のない場所での子育てSTARTでした。夫も帰りが遅く大人と話したい。この世界に自分と赤ちゃんだけなのではないかという孤独感も感じました。
実はこの孤独感は、気持ちの弱さや努力不足ではありません。
産前産後という時期そのものが、女性を孤独にしやすい構造を持っているのです。
1. 人間関係が一気に変わるから
妊娠・出産を境に、女性の人間関係は大きく変化します。
- 仕事仲間と距離ができる
- 自由に会えていた友人と会えなくなる
- 「ママ友」という新しい関係性に気を遣う
- パートナーは仕事で忙しく、ワンオペ育児になりがち
これまで当たり前だった社会とのつながりが急に細くなり、
「社会から取り残された感覚」 を抱きやすくなります。
2. 「自分」が見えなくなるから
産前産後の女性は、
妻・母・嫁・娘・社会人…と多くの役割を同時に担います。
その中で
「私は何者なんだろう?」
「自分の気持ちは後回し」
という状態になりやすく、自分を見失いやすい のです。
やりたいことがあっても
- 行動範囲が制限される
- 睡眠不足・栄養不足が続く
- 達成感を得にくい
こうした小さな「できなかった」の積み重ねが、
言葉にならない孤独感へと変わっていきます。
本当に今までに感じたことのない喜びもたくさんですが、終わりが見えにくいく達成感を感じにくい子育ては1人で抱えるには大きすぎます。
3. 脳・ホルモン・栄養不足の影響も大きい
産前産後はホルモンバランスが大きく変化します。
睡眠不足や慢性的なストレスが続くことで
脳は常に緊張状態になり、
不安・イライラ・孤独感を強く感じやすくなります。
また産前産後の出血、鉄の消費により貧血や食事もおろそかになり栄養不足に陥っています。
そして何万年も前から集団で子育てしてきた『ヒト』として本能的に誰かと子育てしたい守りたいという気持ちが沸くのは動物的に自然なことです。
つまり「孤独を感じやすい状態」そのものに、体がなっているということ。
だからこそ「もっと頑張らなきゃ」では、解決しないんです。(とはいえママならみんなやってきたことだ!と頑張っちゃいますよね。。)
だから必要なのが「他職種連携」

産前産後の困りごとは、ひとつの専門だけでは支えきれません。
- 心のケア(心理・マインドケア)
- 体のケア(助産・整体・運動)
- 栄養・睡眠などの生活支援
- 家族関係・社会復帰の相談
- 安心して話せる居場所づくり
これらはすべて つながっている課題 です。
ひとりの専門家が全部を抱えるのではなく、
それぞれの専門性を持った人が「線」でつながること。
それが、
孤独を深めない産前産後ケアにつながります。
「ひとりで抱えなくていい」社会へ
産前産後の女性に必要なのは
完璧な1人のアドバイスよりも、
安心して頼れる“チーム”の存在 です。
孤独を感じる前に、
「ここに相談していい」
「この人たちがつながっている」
そんな環境をつくることが、
私たち支援者・専門職の役割だと考えています。
産前産後のケアは、
ひとりで支えるものではありません。
チームで支えるもの なのです。
そしてサポーター達も1人で抱えてはいけません。サポータ同士も繋がり相談し会える環境が大切です。
だから私たちは『MY Team』と名付けました。
助産師、保健師だけではないサポートも本当に重要ですしたくさんの職種や人、地域や企業含めママや子ども達をサポートできる仕組みを作っていきたいと思っています。
バースケアラーさん達が多くのママ達をサポートできるように。
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産前産後サポーターのバースケアラー養成講座12期開講中。13期は5月開講予定です。
育休中の産後ママも多く受講されています。時期ご相談ください。
